痔を予防するには…

 痔は良性の病気ですので、手術が必要な重篤な状態になる前に予防することが大切です。生活習慣や排便習慣を変えるだけで症状が楽になることもあります。また、手術後、これまでの肛門環境のままでは、せっかく手術をしても、再発してしまう恐れがあります。

ぬるめのお湯でゆっくり入浴して温まりましょう。

 冬場冷えると痔の調子が悪くなる、よく言われます。逆に、痔は温めると、肛門周囲の血行が良くなり、症状が軽くなることが多いようです。特に、冬場はぬるめのお湯にゆっくりと浸かって見ましょう。

 ただし、肛門周囲膿瘍のような熱を持った状態で温めると、腫れや痛みがひどくなるので、入浴しない方がよいとされています。

 肛門にかゆみの強い方は、気になって石鹸でゴシゴシ洗おうとします。皮膚は皮脂で守られており、洗いすぎは皮脂がなくなり、皮膚が痛みやすくなるので逆効果です。

温水洗浄便座の使い方にご注意ください。

 温水洗浄便座の出現は革命的でした。多くの肛門に痛みのある方を救ってきました。


 ですが、キレイ好きすぎる日本人の中には、これでもか!と洗いすぎる方がいます。また、赤ちゃんの肛門に綿棒を当てるように、強い水量で肛門部を刺激して排便するのが習慣となっている方がいます。

 しかも、その後でペーパーで、ゴシゴシ拭かないと気がすまないのです。

 これでは、肛門の皮膚も粘膜もズタズタになってしまいます。


 次の日にはまた、排便する場所ですので、排便後に洗浄する目的は、下着が汚れない程度にキレイにすることです。

 ”洗い過ぎない!”、”拭きすぎない!”ことが大切です。せっかくの温水洗浄便座です、上手に使いましょう。

排便習慣が大切です。

 排便に要する時間は”5分以内”にすべきです。まだ残っている感じがするからと、20分も30分もいきみ続けることは、肛門部分の静脈うっ血をきたして、いろいろな病気の原因になります。便座で座って読書したり、テレビを観たりするのは、避けた方がよいでしょう。

 いったん染み付いた排便習慣を直すのは、実は、大変難しいことです。長時間の排便が習慣になっている方は、キッチンタイマーなどをセットしてトイレに入り、音が鳴ったら必ず出る、御自分でルールを作ってみてはいかがでしょうか。

同じ姿勢を長時間とらないように気をつけてください。

 仕事柄、立ちっぱなし、座りっぱなしの方は、意識して時々姿勢を変えたり、適度なストレッチなどで、肛門部分をうっ血から解放する時間を作りましょう。

便秘、下痢は痔の大敵です。

 便秘は、排便のときに強くいきまないといけませんから、肛門部分のうっ血が強くなってしまい、痔核(イボ痔)の原因になります。また、硬い便は肛門管粘膜を傷つけて、裂肛(切れ痔)を作る危険があります。

 下痢も、肛門部分の圧力が非常に上がり、相当な負担になります。痔核(イボ痔)、裂肛(切れ痔)、痔ろう(あな痔)の原因になります。病気がなくても、食あたりなどで何度も下痢をして、肛門が痛くなった経験はどなたにでもあるのではないでしょうか。男性の下痢は、アルコールの飲みすぎによって起こることおおいものです。思い当たるところのある方は、ほどほどにしましょう。


 また、香辛料などの刺激物も肛門に負担をかけます。控えめにしましょう。


和歌山県田辺市の肛門科【ふじたクリニック】 痔の日帰り手術・内視鏡検査・便秘治療

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