4月からこれまでの胃カメラ1本・大腸カメラ1本に加えて、6000シリーズの新しい内視鏡を1本ずつ導入しました。
3月まで胃カメラは月25件程度になり、大腸カメラは4-6週待ちで予定がパンパンになっていました。
こんな小さいクリニックで待たせ過ぎの状況でしたが、原因は続けてカメラを行うにはカメラ1本では難しいことです。
内視鏡専用の洗浄機にかけてからでないと、次の検査は行えません。洗浄にかける前に10分、洗浄時間が15分と、約30分かかってしまいます。カメラ1本では次々とは検査ができないのです。
これではいかん!と気合を入れて、最新の内視鏡システムを導入することにしました。
内視鏡って、かなりお高いんですよ。カメラ1本だけで、普通の自動車1台が買えるくらいです。
内視鏡システム本体、カメラ2本…、結構勇気のいる買い物です。大人買いなんてできません、6年リースです。
最近のデジタル技術の進歩は素晴らしく、以前は通常の白色光(=左写真)による観察だけでしたが、画像処理をすることで病変を見つけやすくする技術がどんどん出てきています。
当院でも赤色を強調したLCI観察(=下左写真)、青色を強調したBLI観察(下右写真)ができるようになりました。特に、早期がんの発見にBLIは欠かせません。数年前までオリンパスの独壇場だったのが、今やFujiが凌駕しています。すばらしい!
これで続けて内視鏡ができる体制は整った!!いくらでもやれるぞ!!と意気込んでいたら‥‥‥、
コロナ禍がやってきました。内視鏡を導入した4月の半ばから内視鏡の予約は激減です。
あーぁ。5月からリースの支払いが始まっています。好事魔多し。
感染症はいつかは落ち着くので、それまでは我慢ですね。受診抑制は田辺でもありますが、もっと大変な業種の方々はたくさんいるので、今はコロナ後のことを考えて準備できるものは準備しておく、そういう意識でおります。
心配なのは胃がんや大腸がんの方々までカメラを受けるのをためらっているんじゃないかということです。コロナが広がろうが、広がるまいが、がんが減るわけではありません。クリニックや病院へ行くことを避けているうちにがんが進行している方々がいるのではないでしょうか。
体制は整ったので、患者さんの戻り、通常の状態になったら、できるだけお待たせすることなく胃カメラ、大腸カメラをできるよう、いろいろ工夫してかないといけません。