肛門手術のプロへの道は険しく遠い

 3月18日に東京で「第2回日本臨床肛門病学会」が行われたので、参加してきました。

 今回のテーマは”痔核の手術”。シンプルですね。

 午前中は朝8時開始で、12時前まで休憩もなく、ひたすら演題が12題。痔核結紮切除がテーマです。昔からされている、イボ痔を切る手術のことです。

 各地の肛門疾患の基幹病院の大御所たちが、自分たちの痔核手術をビデオで供覧し、そのあと檀上に上がっての総合討論です。上の写真にある名前は、全員全国に名前の通ったエキスパートたちです。年間肛門手術だけで2,000例くらいはこなします。

 

 全員に共通していることは、とにかく”熱い!”、”肛門手術が大好き!”、”オレの上手な手術をみんな、みてくれ!”。

 

 昼食を食べながら、会長講演を聞いて、15分休憩したら、午後のテーマはALTA(イボ痔を注射で治す手術)の演題が5題、総合討論が続きました。 みなさんALTAの経験が数千例です。ちなみに、私はようやく400例に届くかどうかといったところです。

 とにかく休憩がない!ずーっと勉強を夕方までしていました。

 私も肛門手術が好きだし、勉強もしますが、こういう肛門一筋の、医師人生のすべてを肛門に捧げている先生たちのお話を聞くと、「まだまだ小僧だな。」「こんなレベルには届かないな。」と別世界の宇宙人をみている気分になります。

 どの話もみな興味深く、勉強になります。

 胸を張って「肛門のプロはオレだ!」といえるようになるのは、まだずっと遠い先のようです。

 

 

 

東京の桜を見ながら、帰り道を急ぎました。自宅にたどり着いたのは23時前でした。

 

春になりましたね。

皆さん、この季節を楽しみましょう。