イボ痔の話で丸一日

 7月11日は東京で第11回内痔核研究会総会があり、参加してきました。

 7月10日の午前診が終わって、特急くろしお→新幹線を乗り継いで、5時間かけて東京に到着です。

 遠い、遠すぎる。疲れました。

 

 翌日は朝9:30から昼休憩1時間を除き、途中休憩なしで、夕方15:30までの研究会です。

 一日中イボ痔の話が熱く続きます。

 

 第11回と、新たな10年の始まりで、今回のテーマは、「ALTA療法の新たな展開に向けて」でした。

 午前は「ALTA再発例の術式選択―その治療法のコツと成績」、午後はALTA併用療法の適応と術式選択」で活発な討議が続き、いい勉強になりました。

 参加者は239名。全国からイボ痔の議論をしに来ています。北は北海道から南は鹿児島まで、沖縄の先生は知りませんので。

 年齢は30歳台から70歳台まで。

 演者たちは年間1,000件以上の肛門手術をしている、バリバリの肛門医ばかりです。下手なこというと、おっかない、司会をしている重鎮先生にどやしつけられます。

 私が普通の消化器外科医だったころ、「ヘモ(痔核のこと)って決まった手術するだけだから、議論の余地なんかないんじゃないの?」と思っていました。深く理解しようとしない医師にとっては何の興味も沸かない分野です。ただし、一旦その世界へ続く、入口のノブに触れてしまうと、いつもでたっても完成に近づかない、奥深い領域であることを気づかされます。

 その日のテーマも、イボ痔全体ではなく、ALTAで再発した患者さんに次どういう治療をしべきか、ALTAに加えて切除も行えばもっと治療成績はあがるんじゃないか、という2点だけ、ものすごく狭いテーマだけで、一日議論できるんです。

 そこには、もっと質の高い肛門手術を行うにはどうすればよいか、もっと患者さんのためになる手術とはどういうものなのか、…。あくなき探究の世界です。

 医者になって26年ですが、肛門の勉強を始めてまだたったの6年です。

 まだまだ分からないことがたくさんあります。患者さんが日々の手術、術後の外来診察で

私に足りないことを教えてくれています。

 

 東京は遠いですが、これからもできるだけいろんな研究会や学会に参加して、完成度の高い、肛門医を目指していきます。

 私の師匠の大阪中央病院 斎藤先生、京都の重鎮 橋本先生、大学の先輩 岡空先生、クリニック見学をさせていただいた大阪の山本先生、ALTA症例日本一の小原先生、等々、たくさんの先生にお会いできたのもよかったです。

 

私の肛門道は始まったばかりです。