コールドポリペクトミー

 当クリニックでは、大腸カメラで大腸ポリープをコールドポリペクトミーという方法で切除しています。

 

 これまで一般に行われてきたポリープ切除はポリープの根元にワイヤをかけて、これに通電して焼き切るものですが、どうしても組織に”やけど”を作ってしまいます。この”やけど”が術後出血をきたす原因でした。

 1-2%と高率ではありませんが、日帰りでポリープをとって、自宅で夜中に下血して、救急車で病院へ運ばれて、輸血に緊急内視鏡。

 クリニックでは絶対に起こしたくない合併症です。

 

 

 コールドポリペクトミーは通電せずにポリープを切除するので、術後出血がほとんど起こらないとされています。

 

 Boston Scientific社から発売されている”Radial Jaw TM 4 Jumbo"という鉗子を使います。

手技も簡便で時間もかからず、見ているうちに出血はすぐ止まります。止まりにくい場合はクリップで止血をする場合もあります。

 

すべての大腸ポリープに対処できるわけではありませんが、最もよく見かける、5mm以下の良性のポリープには効果的な方法と考えています。


 当クリニックで切除を行わないポリープは、以下の3種類です。

1)早期大腸がんを疑うもの

 拡大内視鏡などでガンの診断やその深さ診断が必要であり、取残しのない、十分に余裕をもったポリープ切除が必要である。ガンの深さによっては外科手術で腸管切除の追加が必要になることもある。

2)大きさが10mm近くのポリープ

3)有茎性のポリープ

  いずれも術後出血のリスクがあり、出血後の速やかな対処が必要である。

 

 上記以外のポリープ(=平坦型で5㎜程度までのポリープ)に対しては、検査時にコールドポリペクトミーで切除も同時に行います。