執筆に参加した単行本が刊行されました

 私の医者としての師匠は、大阪大学国際医工情報センター 特任教授の井上善文先生です。平成3年に医者になり、井上先生とは平成5年から、早や23年のおつきあいになります。

栄養療法のスペシャリストでたくさん業績をお持ちです。卒後3年目で出会い、手術、術後管理、学会発表、論文と医師としてのすべての面での基礎を作っていただきました。

 栄養療法というのは、患者さんの栄養状態をよくすることで、術後の回復を円滑に進める、術後合併症からの離脱を助ける、患者さんの活動性を高めて寝たきりにしない、食べられないヒトを食べられるようにする、食べられなくてもPEGを造設して自宅へ戻れるようにする…、そういうこと助ける学問です。栄養状態が不良では、治療の効果もなくなってしまうからです。

 たくさんの仕事を一緒にしてきました。

 

 PEG(胃にチューブをおいて、そこから栄養剤を注入する)に代表されるように、どんな治療方法も使い方を間違えると患者さんを不幸せにしてしまいます。いまや、PEGは偏見に満ちたマスコミによって、非常に歪んだイメージが一般の方々に広がってしましました。誰も意識のない90歳の寝たきりの患者さんに、PEGなんかしたくありません。私たちが目指してきたのは、患者さんが幸せになるためのPEGであり、栄養療法です。患者さんがよりよく生きるためのPEGであり、栄養療法です。

 

 そんな栄養療法に従事する仲間たちが、これまでの自分の経験を一つずつ持ち寄って、本にしようよと井上先生が発案され、2015年2月に「栄養のスペシャリストがつづる 心に残る経腸栄養の患者さんたち」が出版されました。私も執筆に参加させていただきました。

 みんな、熱く自分の経験した患者さんの思いでを語っています。真摯に、情熱をかけて、患者さんに向き合ってきた記録はどれも胸が熱くなります。

 

 この本は好評を博したようで、今回、第2弾として、「栄養のスペシャリストがつづる 心に残る栄養療法の患者さんたち 2」が出版されました。今回も井上先生から私に、”オイ、なんか書けや。”ということで、執筆に参加しています。私のクリニックの開設が12月1日で、原稿締め切りが11月30日。23時くらいにメールでなんとか送った原稿です。

 Part1と同様、読後胸が熱くなり、日本の医療も捨てたもんじゃないと思わせてくれます。

 

 是非、ご一読を。クリニックの待合室にも置くようにします。

 

 私の原稿は、ホームページ内の「過去の講演 掲載記事」をご参照ください。